続いて、“처음 뵙겠습니다”の文法的な解説です。発音が難しい上に、文法的にも結構複雑なのです。
처음(チョウム)は“はじめて”という意味です。これは特に問題ないでしょう。뵙겠습니다は뵙다+겠+습니다に分けられるだろうと予想はつくと思います。
뵙다=他動詞の“お目にかかる”として片付けても良いのですが、もう少し掘り下げてみましょう。辞書を引くと“뵈옵다の縮約形”と出ています。そこで、뵈옵다を調べます。“뵈다の尊敬語”と出てきました。さらに뵈다を調べます。“目上の人に会う・伺う・お目にかかる。보다の被動詞、보이다の縮約形”(NAVER사전より引用)。
被動詞は受身のようなものです。日本語の“お目にかかる”も相手目線で“会う”という動作を表した謙譲語(相手の目が自分を見る)で、発想は似ていますね。
さて、つまり、뵙다は보다(見る・会う)にいろんなものが付いて出来た言葉です。보다の謙譲語の尊敬語。ここまででもかなり丁重な言い回しであることが分かります。続いて겠を辞書で引くと
[補助語幹]
1.推量
2.意志
3.控え目な気持ち
と出てきます(NAVER사전)。この中から選ぶなら“控え目な気持ち”が妥当でしょう。最後の습니다は丁寧語尾です。
ここまでを総合すると、뵙겠습니다を文法的に説明すれば、謙譲して尊敬して控え目な気持ちで「会う」を丁寧に言った言葉、ということになりますね。
非常に丁寧な韓国語に対して、日本語は「はじめまして」。以上。余韻を残す日本語のいかにもシンプルな挨拶は、韓国人からすると「えっ?そんな簡単でいいの?初対面なのに、本当に?」と…思う…かどうか私には分かりませんが(笑)、ここにも言葉でストレートに気持ちを伝える韓国と、空気を読んで意思疎通する日本の文化の違いが出ているのかもしれません。面白いほど対照的ですね。
もとに戻って、人に会って最初に交わす韓国語がこんなに複雑だとは困ったものです。でも「はじめまして」さえクリアすれば、ここまで難しいものはそう出て来ないでしょう。시작이 반이다.(始めさえすれば半分できたようなものだ。)という諺は、実はこのことを言ってるんじゃないか、とさえ思えてきます…ね?(^^;
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