この変化は一見不自然ですが実際に発音してみればわかります。いや、そんなことはない。日本人はちゃんと「さんろく」と発音している。と思うかもしれませんが、日本語の「ん」と韓国語の()は発音が違います。日本語の「ん」はこの場合、どちらかというと「ng」に近い音ですが、(
)は「n」ですから舌先をしっかりと歯茎の裏につけて発音しなければなりません。かなり早口で韓国式に「さんろく」と10回ぐらい発音してみましょう。「さるろく」と発音した方が楽じゃないですか?念のため言うと「Saruroku」ではなくて「Sarrok」ですよ。「さる」の「る」の発音がよくわかりにくいかもしれませんね。日本語のラ行と同じ舌の位置で「あ」とも「い」とも「う」とも言わず、そのまま声を出します。そして、休まず続けて「ろく」と言えば韓国式「山麓」の発音になります。ただしハングルの表記は音変化する前の状態を書きます。ややこしいから最初から発音どおりのハングルを書いてくれ、と思うかもしれませんがそうするともとの漢字がわからなくなります。(
)と書いてあると何も知らなくても文字を見るだけで、山麓かな?って推測できますよね。
・()は激音化の素 例:落下(
:なく・は)→(
:なっか)
()の前後に(
)が来ると激音化が起こり、それぞれ(
)の音になります。と、言っておきながらこの中で例外が1つあります。パッチムの(
)は「t」で発音されるため、次に(
)が来ると、「t」の激音になります。まあ、いずれにせよ激音化ですね。しかし、いかに(
)が激音化の素といえども激音自体が存在しない(
)、(
)、(
)に対してはどうすることもできません。(
)、(
)、(
)の後に(
)が来る場合は(
)を無視して、すなわち(
)とみなして発音されます。また、「t」の発音であるパッチムの(
)は次に(
)が来ると激音化され、「t」の激音になりますが、「s」の発音である上の子音部分に来る(
)は直前に(
)があっても何も起こりません。「s」の激音はありませんよね。
・()と(
)は前のパッチムを3種類の「ん」に変える 例:悪魔(
:あく・ま)→(
:あんま)
これはかなり難しいので慣れるまでに時間がかかるかもしれません。「k」「t」「p」の発音をするパッチムのあとに()または(
)が来ると「k」は「ng」、「t」は「n」、「p」は「m」に変わります。日本人には3つとも「ん」に変わったように聞こえるかもしれませんね。第3節でもお話したように、もともと「t」は「n」に、「p」は「m」に近い発音ですのでこれらの変化についてはなんとなく理解できると思いますが、「k」が「ng」になるのは少々納得できませんね。まあそのまま覚えてください。
・()も前のパッチムを3種類の「ん」に変える 例:閣僚(
:かく・りょ)→(
:かんにょ)
()も(
)(
)と同じ変化を起こしますが、今度は(
)自体も変化します。パッチムの「k」「t」「p」が「ng」「n」「m」に変わり、同時に「r」が「n」になります。また(
)、(
)がパッチムのときも次の(
)が(
)に変わります。「m」が「m」に変わり、「ng」が「ng」に変わる(実際には変わっていないが)と考えればこれも同じパターンと言えるでしょう。
おつかれさまでした、この辺で終わりにしましょう。これだけ覚えればかなりのハングルは読めるでしょう。まだ他にも変化規則はありますが、こんなことばかりやっていても面白くないし覚えきれないですよね。もしここで紹介した規則で発音できないものが出てきたらその都度解説を入れることにしましょう。この先はいよいよ韓国語の単語に入ります!
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はじめに 日本人にとって一番簡単な外国語
第0章 ハングルってなに?
第1章 日本でも韓国でも発音が同じ単語
第2章 日韓文法の共通点
第3章 ハングルの読み方
第4章 超基本単語
第5章 簡単な会話
第6章 日韓漢字変換法則
第7章 文章を組み立てよう
第8章 実践練習
第9章 おわりに
おまけ 韓国語なんでもQ&A
コラム 日本におけるハングルの諸事情
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