「「あれ、これ、それ」の前に「あの、この、その」から入りましょう。「この」は(い)、「その」は
(く)、「あの」は
(ちょ)といいます。そして、「い、く、ちょ」のあとに「もの」を意味する
(ごっ)をつけて「
(いごっ)、
(くごっ)、
(ちょごっ)」と言うと、このもの・そのもの・あのもの、つまり、「これ・それ・あれ」となります。また、「ここ、そこ、あそこ」は、「
(よぎ)、
(こぎ)、
(ちょぎ)」です。今度は少し規則的ではないように思うかもしれませんが、これもやはり「
(い)、
(く)、
(ちょ)」に
(おぎ)をつけたと考えたらいかかでしょうか。「い」+「おぎ」で「いおぎ」これが縮まって「よぎ」、「く」+「おぎ」で「くおぎ」これも早く発音しようとすると「こぎ」になりませんか?「ちょぎ」も同様に考えるとそうなっているはずです。「おぎ」とはどういう意味か、と聞かれても困りますが、そう考えると覚えやすいかと思います。これは余談になるかもしれませんが、言葉に詰まったり、呼びかけたり、言い出しにくかったりする時に発する「あの~」という言葉、実は韓国語でも「
~」(ちょ~)と言います。こんなところまで日本語と似ているなんて、おもしろいですね。
ところで、英語の場合だと会話で一番使う単語は「あなた、わたし」といった人称代名詞かと思いますが韓国語の場合はどうでしょうか。韓国語は日本語と全く同様に主語を省略することができます。英語だと主語が解りきった場面でも「I have ~」のように言わなければなりませんよね。他にも何故こんなところに「We(私たち)」をつけるの?と納得できない英文をたまに見かけたりもしますが、その点韓国語は日本語の感覚で十分通用します。
しかし、日本語と同じく不便な点もあります。二人称を指す単語の使い方がちょっと難しいようです。「あなた」に当たる(たんしん)という単語があるにはありますが、日本語でも「あなたは…」という言い回しはあまり使いませんね。この「たんしん」は夫婦の間で使われるそうですが、それ以外だと、韓国語でも普段の会話にはあまり出てきません。さらに厄介なことに、日本語の「~さん」と同等の言葉がないようです。韓国語の
(~っし)(「氏」の韓国読み)は「~さん」と訳せはしますが漢字の通り「~氏」というイメージがあるようです。儒教を重んじる韓国では年上の相手に対して、「
」(っし)は使いにくい単語です。「先生」を韓国読みした
(そんせん)という単語にさらに「~様」を意味する
(にむ)をつけた
(そんせんにむ)という言葉があり、これが年上の相手に使う「~さん」(「先生」という意味でも使える)です。それにしても、「先生様」とは日本人からすればかなり違和感がありますよね。「先生様」なんて言いたくもないし言われたくもありませんが韓国語ではそんなに大袈裟なイメージはありませんので、そんなものかと思って慣れてください。他には、年下の相手や親しい者に対して使う「
」(「おまえ、きみ」のニュアンス)というのもあります。とりあえずこれぐらい覚えておきましょう。
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はじめに 日本人にとって一番簡単な外国語
第0章 ハングルってなに?
第1章 日本でも韓国でも発音が同じ単語
第2章 日韓文法の共通点
第3章 ハングルの読み方
第4章 超基本単語
第5章 簡単な会話
第6章 日韓漢字変換法則
第7章 文章を組み立てよう
第8章 実践練習
第9章 おわりに
おまけ 韓国語なんでもQ&A
コラム 日本におけるハングルの諸事情
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