韓国で「安寧」を使うのは出会った時だけではありません。別れるときや寝るときも使います。
「さようなら」は「安寧にいらっしゃいますように」「安寧にお帰りください」と、2通りの言い方があります。「おやすみなさい」は「安寧におやすみください」、「おはようございます」は「安寧におやすみになりましたか」と、韓国人の一日は安寧に始まり安寧に終わるようです。
さて、他の外国語を勉強された方なら韓国語の「さようなら」の特殊性に気づかれたことでしょう。ヨーロッパ系の言語での別れの挨拶は「良い・・・を」や「また会いましょう」という意味のものが多いですね。また、中国語の「再見」も漢字をそのまま読むと「再び見る(会う)」です。韓国語でも「また会いましょう」にあたる表現はあり、(ットマンナヨ)といいますが、日本語で「また会いましょう」と言うのと同じで、単なる「さようなら」とは少しニュアンスが違ように思います。
では、これらの「安寧」な表現を韓国語に直してみましょう。「安寧」を日本語でいうところの形容動詞のように「安寧に」という形で使うときは語尾に「(ヒ)」をつけて「
(アンニョンヒ)」と言います。実際にはハ行の音が弱まって「アンニョンイ」と聞こえるかもしれません。「いらっしゃる」は「
(ケシダ)」です。これは日本語と同じように、「先生がいらっしゃる」という場合にも使えるし、「~していらっしゃる」という形でも使えます。前節で「~
(セヨ)」=「~してください」だと述べましたが、~
は~
に丁寧語尾がついた形です(少し説明を手抜きしていますが…)。ではなぜ
でなくて
になるのかと聞かれても困りますが
が
になるようなものだと思ってください。どうしても納得のいかない方は、「
×
=
」という掛け算(この場合は
×
だが…)を思い出してください。実際にこれが正しい理屈かどうかは別として、覚えやすくはなるでしょう。「
」を「
」にすると「いらっしゃってください」という意味になります。説明が長くなりましたが、「さようなら」は韓国語では「
(アンニョンヒ ケセヨ)」と表現するのです。
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