本当に好きな時は理由なんてないんですよ。(ミニョン)
これはもう有名ですね。…え?なぜ、この台詞を選んだかって?好きな言葉に理由なんてないんですよ。
 (チョンマル チョウンゴン イロケ イユルル テル ス オムヌンゴエヨ)
 (チョンマル)は聞いたことあるぞ、という方も多いのではないでしょうか。「本当」という意味ですね。ここでは「本当に」と訳すほうが自然でしょう。韓国語の「に」にあたる (ロ)をつけて  (チョンマルロ)と言う時もあります。さて、「分解して説明する」のが筆者の方針です。単語をさらに分割してみましょう。国語の授業では単語とは「それ以上、分けると意味が成り立たなくなるもの」だと習ったかもしれませんが、あえて国語の先生に逆らってみましょう。辞書を引いたことがある方ならご存知でしょうが、 (チョン)は「正」の韓国読みで、 (マル)は「言葉」という意味です。直訳すると「正しい言葉」ですね。どうですか?これで一気に3つ(本当・「正」の韓国読み・言葉)も韓国語を覚えたでしょう。
今日の重要単語です。 (チョッタ)はここでは「好きだ」という意味ですが、この単語には「良い」という意味もあります。とにかくよく使いますので覚えましょう。使用頻度が高いだけでなく文法的にも重要です。形容詞の連体形が登場します。ちょっとややこしいので「文法なんてどうでもいいや」って人はサラッと流してください。
韓国語では動詞も形容詞も で終わります。原形は同じなのに連体形になると微妙に形が違います。そう、微妙に、です。ああ、紛らわしいったらありゃしない…。動詞の過去連体形は 、語幹にパッチムがあるときは でしたね。形容詞の現在連体形は、動詞の過去連体形と同じ形で、語幹にパッチムがないときは 、パッチムがあるときは がつきます。動詞の過去連体形と形容詞の現在連体形が同じ形です。しかし、後ほど登場する「未来連体形」は動詞も形容詞も同じ形になります。もう私には日本人に対する嫌がらせとしか思えません(笑)。現在は現在、過去は過去で統一してくれれば覚えやすいのに。これも慣れればそれほど苦にならないのですが…いや、管理人もいまだに間違うことがあります。やはり苦になっているようですね…。(笑)
(ゴン)は が縮まった形です。 は「こと」、ここでの は助詞「〜は」ですね。
(イロケ)は「このように」です。これももっと掘り下げたいところですが、もう覚えきれない!と文句を発する人も出てくるころでしょうから何も言いません。丸暗記してください。 (イユ)は「理由」の韓国読みです。韓国では漢字単語の最初にラ行の音が来ると、その音はア行またはナ行に変わります。「理由」でもその現象が起こっていて、もともとの読み方は「リユ」です。もう日本語と同じと言ってもいいぐらいですよね。 (ルル)は助詞「〜を」です。
(テル)は「つける」という意味の動詞 (テダ)が活用した形です。次は  (ル ス オッタ)でひとかたまりにして覚えましょう。「〜(することが)できない」と訳します。この部分は「ひとかたまり」と言いつつも、やはり分解してしまいます(詐欺?)。
は動詞や形容詞の語幹について「未来連体形」を作る語尾です。また訳の分からない「未来連体形」などという文法用語が出現しましたね。簡単に言うと「〜する…(動詞の場合)」と訳されるものです。現在連体形の (動詞)や (形容詞)も日本語に訳すと「〜する」ですが、 の場合は「今はまだしていないが、これからする」というニュアンスがあります(大雑把な説明ですが…)。 は「方法・仕方」を意味する単語です。 (オッタ)は「ない」という意味です。
「  」全体をまとめてみましょう。「(理由を)つける方法がない」となりますよね。これで「  」を自然な日本語にすると「〜できない」になる、ということがめでたく理解できたはずです。なぜここまで詳しく書いたかというと、実は昨日の話と関係があります。第6話の台詞にも「〜できない」が出てきましたよね。覚えてますか?…(返事待ち)…そうですね。 です。なぜ「〜できない」が二つもあるのでしょうか。それは、微妙な意味の違いがあるからです。今日の「〜できない」は「〜する方法がない」と訳された通り「理論的に不可能」な時に使う言葉です。昨日のチモタダは「理論上は可能性があるが現実として不可能」な時に使います。
ユジンのお母さんの「永遠に忘れられないのよ」は「忘れる方法もあるかもしれないが私には無理だ」といった感じでしょう。一方、「理由をつけることができないんですよ」は「誰がどう考えても絶対に理由はないでしょう?」となるのです。ミニョンさんらしい言い方(?)ですね。
また、 の語幹( )に がついたときの発音は「オムヌン」になります。このとき は発音されません。さらに が の発音になります(第3章の第5節参照)。注意しましょう。
   (ヌンゴエヨ)は以前にもお話した通り「〜なんです」ですね。今回の文全体をまとめて直訳しておきましょう。「本当に好きなものはこのように理由をつけること(が)できないんですよ」になります。
今回は内容が濃かったかもしれません。長い説明になってすみません、お疲れ様でした。後で整理しておいてくださいね。
|