ポラリスを探して自習室2>冬のソナタ第1話 『出会い』

サンヒョク!(ユジン)

 韓国ドラマを見るにあたって、というかパンマルを勉強するにあたって、もっとも基本的なことを解説させていただきます。それは、人の呼び方です。それからもうひとつ、韓国語の聞き取りは難しいというお話を少々…。

(サンヨガ!)

 これは、一番最初の場面です。ユジンが遅刻しそうになって、バス停まで走ってくる場面で叫んでいたと思います。

 ハングルを覚えたての方のためにお話します。親しい人を呼ぶときには、名前のあとに(ア)をつけます。このには、さほど大した意味はなく、強いて訳すなら日本語の「〜よ」ぐらいを当てはめると良いかと思います。が、日本語で「サンヒョクよ!」などと言えば違和感がありますよね。ですから、語調をととのえるための音だと考えてください。

 ユジンでもなくチュンサンでもなくサンヒョクを選んだのは、発音の話をするためです。まずの前に、の発音ですが、実際に韓国語でドラマを見ていると「ヒョッ」ではなく「ヨッ」と聞こえます。韓国語講座第3章の第5節で「は激音化の素」という項目があります。そこで軽く触れましたが、は前後の子音を激音化させるか、激音化させられない場合は自分自身が消滅するというやっかいな音です。は後者で、の音自体がなくなっています。

 そこに追い打ちをかけるように「〜よ」のがつくのです。するとパッチムの(「ク」に近い「ッ」)が、母音と母音に挟まれて濁音化を起こします。つまり「カ」ではなく「ガ」と発音されます。これが、「サンヒョク」が「サンヨガ」になる理由です。

 他の登場人物にも同様に使えます。例えばユジンなら!(ユジナ!)ですね。韓国語版で見るなんて絶対無理と思っている人は、まずはこういうところから聞き取っていきましょう。

 この話をしていて気づいたのですが、冬のソナタの登場人物はみんな名前が子音でおわっていますね。ユジン・チュンサン・サンヒョク・チェリン・チンスク・ヨングク、それからミニョンも…。もし名前が母音で終わる人を同じように呼びたいときはではなく(ヤ)をつけます。また、は目上の人やあまり親しくない相手に使う言葉ではありません。普通は自分と同じぐらいの歳の人であっても、(ッシ)「氏」を使うべきでしょう。

 あ、名前が母音で終わる登場人物もいましたね。チュンサンの母、カン・ミヒ…。すっかり忘れてました。